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コラム

パニック障害との向き合い方

突然の動悸、息苦しさ、めまい…そして襲いかかる「死んでしまうのではないか」という恐怖。これらの症状に悩まされていませんか?それはパニック障害かもしれません。苦しい状況ではなかなか回復をイメージしにくいかもしれませんが、適切なサポートと理解によって、必ず回復への道があります。

パニック障害とは

パニック障害は、突然襲ってくる強い不安や恐怖の発作(パニック発作)を特徴とする状態です。身体的な原因がないにもかかわらず、激しい身体症状を引き起こし、死の恐怖を感じるほどの強い不安を経験します。

パニック障害の有病率は約1~2%で、特に20~30代の若い世代に多く、女性は男性の約2倍の発症率があります。日本では100人に1~2人がこの障害に苦しんでいると言われています。

こんな症状に心当たりはありませんか?

パニック発作の症状(以下の症状のうち4つ以上が急に現れる)

  • 動悸、心拍数の増加
  • 発汗
  • 身体の震え
  • 息切れ、窒息感
  • 胸の痛みや不快感
  • めまいや立ちくらみ
  • 吐き気や腹部の不快感
  • 現実感の喪失、自分が自分でない感じ
  • 死んでしまう恐怖
  • コントロールを失う恐怖

予期不安と回避行動

  • 「また発作が起きるのではないか」という強い不安
  • 発作が起きた場所や状況を避ける
  • 一人で外出できなくなる
  • 公共交通機関に乗れなくなる

これらの症状が1ヶ月以上続き、日常生活に支障をきたす場合は、パニック障害の可能性があります。

パニック障害の原因とメカニズム

パニック障害は、身体的・心理的・環境的要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

脳の機能的要因

  • 脳内の「恐怖回路」(特に扁桃体)の過剰反応
  • 神経伝達物質(セロトニンなど)のバランスの乱れ
  • 自律神経系の調節障害

心理的要因

  • ストレスの蓄積
  • 不安に対する過敏さ
  • 身体感覚への過剰な注目

環境的要因

  • 大きな環境の変化
  • 過労や睡眠不足
  • 家族歴(遺伝的素因)

パニック発作は、「恐怖→身体症状→さらなる恐怖」という悪循環によって増強されます。最初は軽い身体症状に対する過剰な注目が、自律神経の興奮を引き起こし、さらに症状を悪化させる「恐怖の悪循環」が特徴です。

パニック障害との向き合い方

① 正しい知識を得る

パニック発作は命に関わる危険はなく、必ず収まるものだと理解しましょう。発作の正体を知ることで、「死んでしまうのではないか」という不安が軽減されます。

② 呼吸法を身につける

発作時の過呼吸に対して、ゆっくりとした腹式呼吸が効果的です。4秒かけて息を吸い、2秒止め、6秒かけて吐く「4-2-6呼吸法」を練習しましょう。

③ リラクセーション技法を学ぶ

漸進的筋弛緩法や自律訓練法などのリラクセーション技法は、日常的な緊張を和らげるのに役立ちます。

④ 考え方のパターンを見直す

「このまま死んでしまう」「発作は永遠に続く」などの自動思考に気づき、より現実的な考え方に修正する認知行動療法が有効です。

⑤ 少しずつ恐怖に向き合う

安全な環境で、徐々に恐れている状況に段階的に慣れていく「段階的暴露療法」を専門家の指導のもとで行うことも効果的です。

当カウンセリングルームでお手伝いできること

パニック障害でお悩みの方が「優しい詩 カウンセリングルーム」にお越しいただくと、以下のような支援を受けることができます。

提供している支援

  • 専門的な心理アセスメント:パニック発作のパターンや引き金、維持要因を丁寧に分析し、個人に合わせた理解を深めます。
  • 認知行動療法:パニック障害に効果が実証されている認知行動療法を通じて、恐怖の悪循環を断ち切るための具体的な技術を身につけます。
  • ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー):不安症状に対して高い効果が示されているACTを用いて、パニック発作の感覚をあるがままに受け入れ、価値のある方向へ行動できるよう支援します。
  • 段階的暴露訓練:ご本人の思いを最優先にしながら、安全な環境で少しずつ恐れている状況に向き合う練習を行い、自信を取り戻します。
  • リラクセーション訓練:呼吸法や筋弛緩法など、不安を和らげるための実用的な技法を習得します。
  • 家族への心理教育:大切な方がパニック障害について理解し、適切なサポートができるよう情報提供します。

期待できる変化

カウンセリングを継続することで、以下のような変化が期待できます:

  • パニック発作への恐怖が軽減:発作を過度に恐れなくなり、起きてもうまく対処できるようになります。
  • 日常活動の拡大:避けていた場所や状況に少しずつ行けるようになり、行動範囲が広がります。
  • 自己効力感の回復:「自分の不安をコントロールできる」という自信が生まれます。
  • 心理的柔軟性の向上:ACTを通じて、不安があっても価値のある行動を選択できる柔軟さが身につきます。
  • QOLの向上:社会活動や人間関係の質が改善し、より充実した生活を取り戻せます。
  • 再発予防スキルの習得:長期的な回復のための自己管理スキルを身につけられます。

『優しい詩』では、あなたのペースを尊重しながら、一人ひとりに合わせた回復への道のりをサポートします。パニック障害は適切な治療で回復可能な疾患です。一人で悩まず、専門家に相談してください。

【 不安障害・パニック障害についてより詳しい内容は、こちらのページをご覧ください。】

【不安障害と関連のある「うつ病」については、こちらのページをご覧ください。】

参考文献

  1. 塩入俊樹 (2015) 「パニック障害/パニック症」, 日本精神神経学会, https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=43
  2. 国立精神・神経医療研究センター (2023) 「パニック障害」, https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease09.html
  3. 相生山ほのぼのメモリークリニック (2024) 「パニック障害」, https://honobono-clinic.com/medical/panic-disorder
  4. 銀座心療内科クリニック (2022) 「パニック障害の治療方法」, https://ginza-pm.com/case/panic_treatment.html
  5. 富山県医師会 (2023) 「パニック障害ってどんな病気?」, http://www.toyama.med.or.jp/wp/?page_id=1347
  6. 木下奈緒子 (2019) 「アクセプタンス&コミットメント・セラピーのこれから」, 日本心理学会 心理学ワールド87号, https://psych.or.jp/publication/world087/pw03/
  7. アクセプタンス&コミットメント・セラピー (2024), Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/wiki/アクセプタンス&コミットメント・セラピー

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