ご相談いただけるお悩み CONSULTATION
うつ病・躁うつ病(気分障害)
気分の落ち込みやうつ症状でお悩みですか?つらい気持ちを一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けることで、心の重荷を軽くし、日常を取り戻すことができます。『優しい詩』では、うつ病や気分障害に対する効果的なアプローチで、あなたの回復をサポートします。
うつ病・気分障害とは
うつ病は、持続的な気分の落ち込みや興味・喜びの喪失を主な症状とする心の病気です。誰にでも起こりうる「気分の落ち込み」とは異なり、症状が長く続き、日常生活に大きな支障をきたします。日本では、生涯有病率は約15%と言われ、5~6人に1人が一生のうちに一度はうつ病を経験するとされています。
気分障害の種類
単極性うつ病(大うつ病性障害)
気分の落ち込みが主な症状で、日常生活の機能が著しく低下します。
双極性障害(躁うつ病)
うつ状態と躁状態(過剰に元気で活動的になる状態)を繰り返します。
持続性抑うつ障害(気分変調症)
軽度〜中等度のうつ症状が2年以上続く状態です。
季節性情動障害
特定の季節(多くは秋から冬)に症状が現れ、季節が変わると改善する気分障害です。
このようなお悩み・困りごとはありませんか?
- 何をするにも気力が出ず日常生活に支障がある
- 睡眠の問題(不眠や過眠)が続いている
- 食欲の変化(減退や過食)がある
- 些細なことで落ち込み、なかなか気分が戻らない
- 仕事や家事の能率が落ち、ミスが増えている
- 趣味や好きなことにも興味が持てなくなった
- 周囲に迷惑をかけているという罪悪感が強い
- 将来に対して希望が持てず、投げやりになっている
- 自分なんかいなくてもいいと感じる
- 考えがまとまらず、決断することが難しい
- 体がだるい、頭痛、胃の不調など身体症状がある
- 感情が鈍くなり、喜びも悲しみも感じにくくなった
うつ症状が現れるメカニズム
うつ病は脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)のバランスが崩れることで発症すると考えられています。このバランスの乱れには、以下のような要因が関係しています:
生物学的要因
- 遺伝的要素
- 脳内の神経伝達物質の不均衡
- ホルモンバランスの変化
心理社会的要因
- 強いストレスや心理的負担
- ネガティブな思考パターン
- 対人関係の問題
- 仕事や家庭での過度な責任
環境的要因
- 大きな生活環境の変化
- 職場や家庭内の人間関係
- 過度の労働や休息不足
- 季節の変化(特に日照時間の減少)
優しい詩が得意とするアプローチと目指していくこと
来談者中心療法
安全な環境の中で、つらい気持ちや感情をありのままに話していただきます。「もっと頑張らなければ」「周りに迷惑をかけている」といった思いから少し距離を置き、ご自身のペースで気持ちを整理していきます。多くの方が、自分の気持ちに向き合う中で、少しずつ楽になっていく体験をされています。
認知行動療法(CBT)によるアプローチ
認知行動療法は、私たちの「考え方(認知)」が「感情」や「行動」に大きな影響を与えているという考えに基づく心理療法です。「すべて自分のせいだ」「いつも失敗する」など、うつ症状を悪化させる否定的な思考パターンを特定し、より健全で現実的な考え方に修正していくことで、気分の改善を目指します。
認知行動療法の主なプロセス
- 自動思考の特定
日常のさまざまな場面で自然と浮かぶ否定的な考え(「自動思考」)に気づく練習をします。例えば「自分はダメな人間だ」「何をやってもうまくいかない」といった思考です。 - 認知の歪みの理解
思考の癖や偏り(「認知の歪み」)を理解します。- 全か無か思考:物事を白黒はっきりとした極端な視点で捉える
- 過度の一般化:一つの出来事から全体を否定的に判断する
- 心の読みすぎ:他者の考えを否定的に決めつける
- 感情的reasoning:「不安だから危険に違いない」のように感情に基づいて判断する
- 「~すべき」思考:自分に対して厳しい基準を課す
- 思考記録と思考の検証
状況、感情、自動思考を記録し、その思考が現実的かどうかを検証します。「この考えを支持する証拠は?」「別の見方はできないか?」などの問いかけを通じて、より柔軟な思考を探ります。 - 適応的思考の構築
否定的な思考パターンを、より現実的でバランスの取れた考え方に置き換えていきます。これは「ポジティブ思考」を強制するものではなく、現実に即した健全な視点を持つことを目指します。 - 行動実験と新しいスキルの実践
新しい考え方に基づいた行動を少しずつ試し、その結果を観察します。成功体験を積み重ねることで自己効力感を高めていきます。
『優しい詩』での認知行動療法の実践例
- 思考記録表を用いて、日常の出来事と関連する考え・感情を整理
- 認知の歪みを特定するワークシートの活用
- グラデーションシンキング(白黒思考から段階的な思考へ)の練習
- 現実検証のための小さな行動実験の設計と実行
- 自分を励ます言葉(セルフトーク)の練習
認知行動療法は世界中で科学的効果が実証されている心理療法の一つで、うつ病や不安障害に特に有効とされています。『優しい詩』では、あなたの状況や特性に合わせたCBTのアプローチを提供し、日常生活の中でも実践できるスキルの習得をサポートします。
生活リズムの立て直し
睡眠や食事、活動などの日常生活のリズムを、無理のない範囲で少しずつ整えていきます。できることから始める、小さな目標を立てるなど、その方に合ったペースで生活の立て直しをサポートします。日々の生活に少しずつ変化が生まれることで、気持ちの面でも変化を感じられる方が多くいらっしゃいます。
新しい対処方法の習得
気分の落ち込みへの対処法を、一緒に探っていきます。リラックス法や気分転換の方法など、その方の生活に合った取り組みを見つけていきます。新しい対処法を実践する中で、「これならできそう」という感覚を持てるようになることが多いです。
環境調整とサポート体制の構築
必要に応じて職場や家庭での役割調整をサポートし、医療機関との連携も行います。周囲のサポートを上手に活用できる方法を一緒に考えていきます。徐々に、助けを求めることへの抵抗感が減っていく方が多くいらっしゃいます。
うつ病からの回復プロセス
急性期のケア
まずは十分な休養と医療機関での適切な治療が重要です。この時期は、自分を責めたり無理をしたりせず、心と体を休めることに専念します。
回復期のステップアップ
少しずつ日常生活を取り戻していく時期です。小さな目標設定と成功体験の積み重ねが重要になります。過度な期待や焦りは禁物です。
再発予防と成長
うつの再発リスクを減らすための対処法を身につけ、ストレス管理能力を高めていきます。この経験を通して得た自己理解が、今後の人生においても大切な資源となります。
うつ病と医療機関との連携
うつ病の治療では、心理的サポートと医学的治療の両面からのアプローチが効果的です。『優しい詩』では、必要に応じて精神科・心療内科との連携を行い、総合的なサポートを提供しています。
医療機関の受診を勧める目安
- 強い気分の落ち込みが2週間以上続く
- 自殺について考えることがある
- 日常生活が著しく困難になっている
- 睡眠や食欲の問題が深刻
- 身体症状が顕著で持続的である
自分でできるセルフケア
日々の生活習慣
- 規則正しい睡眠リズムを心がける
- バランスのとれた食事を摂る
- 軽い運動(ウォーキングなど)を取り入れる
- アルコールやカフェインの過剰摂取を避ける
心のケア
- 自分を責めすぎない
- 「〜すべき」という考えに縛られない
- 小さな達成感や喜びを大切にする
- リラクゼーション法(深呼吸、ヨガなど)を取り入れる
ソーシャルサポート
- 信頼できる人に気持ちを話す
- 無理のない範囲で社会的なつながりを維持する
- 必要に応じて家族や職場に協力を求める
『優しい詩』でのカウンセリングについて
うつ病や気分障害のカウンセリングは、まずはあなたの状況をじっくりお聴きすることから始まります。症状の程度や背景要因を理解した上で、あなたに合ったアプローチを一緒に考えていきます。
セッションの流れ
- 現在の状態や困りごとについてのお話を伺います
- うつ症状の背景にある要因を探ります
- 短期的・長期的な目標を一緒に設定します
- 個別の状況に合わせた対処法を検討します
- 段階的に実践し、フィードバックを重ねながら調整していきます
カウンセリングで大切にしていること
- あなたのペースを尊重すること
- 無理な変化を求めないこと
- できたことを認め、小さな一歩を大切にすること
- あなた自身の回復力を信じること
うつ病や気分障害は必ず回復可能な状態です。一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けることで、多くの方が回復への道を歩み始めています。『優しい詩』では、あなたの心に寄り添いながら、一緒に回復への道のりを歩んでいきます。
まずはお気軽にご相談ください。お話をゆっくり丁寧にお聴かせいただくことから始めましょう。
※うつ病の症状が重い場合や、自殺念慮がある場合は、まず医療機関を受診されることをお勧めします。緊急時は、すぐに医療機関や相談窓口(いのちの電話など)にご連絡ください。
事例紹介
※事例は複数の相談事例をもとに再構成したものです。個人が特定されないよう、年齢・性別・状況などに変更を加えていますのでご了承ください。
Aさん(30代男性)の場合
営業職として働くAさんは、ノルマのプレッシャーとオンオフの切り替えの難しさから、徐々に気分が落ち込み、睡眠障害や集中力低下に悩まされていました。カウンセリングでは、「常に結果を出さなければならない」という考え方を見直し、休息の重要性に気づいていきました。仕事と私生活のバランスを取る方法や、ストレスへの対処法を習得することで、約8ヶ月後には仕事のパフォーマンスも回復しました。
Bさん(20代学生)の場合
大学院での研究に行き詰まり、自信を失くしたBさんは、将来への不安から眠れなくなり、研究室にも行けなくなりました。カウンセリングでは、完璧主義的な考え方や自己評価の低さに焦点を当て、小さな成功体験を積み重ねていきました。指導教官との関係調整も行いながら、約1年かけて研究を再開し、最終的に修了することができました。
Cさん(40代女性)の場合
仕事と育児の両立に疲れ果て、朝起きるのが辛く、食欲も低下していました。家事も後回しになり、子どもの世話も最小限になっていました。「このままではいけない」と思いながらも、どうすることもできない状態が続いていました。
カウンセリングでは、まず十分な休息を取ることから始め、できる範囲で生活リズムを整えていきました。同時に、「完璧な母親でなければならない」という考えについて見つめ直し、周囲に援助を求めることも大切だと気付いていきました。約6ヶ月のカウンセリングを通じて、家族の協力も得られるようになり、少しずつ以前の生活を取り戻すことができました。