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うつ病・躁うつ病(気分障害)

うつ病・躁うつ病(気分障害)

キーワード:うつ病 、気分障害、躁うつ病、双極性障害、新型うつ、認知行動療法

気分の落ち込みやうつ症状でお悩みですか?うつ病や躁うつ病(双極性障害)は適切な治療とカウンセリングで回復可能な心の病気です。つらい気持ちを一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けることで、心の重荷を軽くし、日常を取り戻すことができます。札幌 カウンセリング『優しい詩』では、うつ病の原因を理解し、効果的な治療アプローチで、あなたの回復をサポートします。

目次

  • うつ病・気分障害とは
  • うつ病の症状と見分け方
  • うつ症状が現れるメカニズム
  • うつ病を引き起こす要因の具体例
  • うつ病からの回復のために
  • 専門家に相談すべきタイミング
  • カウンセリングで期待される効果
  • 『優しい詩』でのうつ病へのアプローチ
  • まとめ

うつ病・気分障害とは

うつ病は、持続的な気分の落ち込みや興味・喜びの喪失を主な症状とする心の病気です。誰にでも起こりうる「気分の落ち込み」とは異なり、症状が長く続き、日常生活に大きな支障をきたします。日本では、生涯有病率は約15%と言われ、5~6人に1人が一生のうちに一度はうつ病を経験するとされています。

気分障害の種類

  1. 単極性うつ病(大うつ病性障害)
    気分の落ち込みが主な症状で、日常生活の機能が著しく低下します。
  2. 双極性障害(躁うつ病)
    うつ状態と躁状態(過剰に元気で活動的になる状態)を繰り返します。
  3. 持続性抑うつ障害(気分変調症)
    軽度〜中等度のうつ症状が2年以上続く状態です。
  4. 季節性情動障害
    特定の季節(多くは秋から冬)に症状が現れ、季節が変わると改善する気分障害です。

うつ病は、世界保健機関(WHO)によると、世界で3億人以上が罹患している疾患であり、現代社会においてもっとも一般的な精神疾患の一つです。重要なのは、うつ病は適切な治療とサポートがあれば回復可能な病気だということです。

うつ病の症状と見分け方

うつ病の症状は多岐にわたりますが、主に以下のような形で現れます。

心理的症状

  • 気分の落ち込みや悲しみが持続する
  • 何事にも興味や喜びを感じなくなる
  • 自己評価の低下や罪悪感
  • 集中力や決断力の低下
  • 自殺念慮や死についての繰り返し考える
  • 将来に対して悲観的になる
  • 無価値感や無力感
  • イライラや怒りっぽさ(特に男性や若年層に多い)

身体的症状

  • 睡眠障害(不眠や過眠)
  • 食欲の変化(減退や増加)
  • 疲労感や気力の低下
  • 身体の動きが遅くなる、または落ち着きのなさ
  • 身体の痛み(頭痛、腰痛、肩こりなど)
  • 性欲の減退
  • 消化器系の不調(胃痛、便秘など)

行動面の変化

  • 日常活動への参加が減少
  • 仕事や学業のパフォーマンス低下
  • 社会的引きこもり
  • 自己ケアの減少(身だしなみを整えないなど)
  • アルコールや薬物への依存傾向
  • 趣味や楽しみからの撤退

うつ病の診断には、これらの症状が2週間以上継続して存在することが一つの目安となります。また、症状の重さやパターンには個人差があり、全ての症状が現れるわけではありません。

一時的な落ち込みとうつ病の違い

一時的な気分の落ち込みとうつ病の主な違いは、以下の点にあります:

一時的な落ち込みうつ病
明確な原因があることが多い原因が明確でない場合もある
数日〜数週間で回復する2週間以上、多くは数ヶ月続く
楽しい活動で気分が改善する楽しかったことでも喜びを感じない
日常生活に大きな支障はない日常生活の機能が著しく低下する
自殺念慮はほとんどない自殺について考えることがある

うつ症状が現れるメカニズム

うつ病は脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)のバランスが崩れることで発症すると考えられています。このバランスの乱れには、以下のような要因が関係しています:

生物学的要因

  • 遺伝的要素
  • 脳内の神経伝達物質の不均衡
  • ホルモンバランスの変化
  • 脳の構造・機能の変化

心理社会的要因

  • 強いストレスや心理的負担
  • ネガティブな思考パターン
  • 対人関係の問題
  • 幼少期のトラウマ体験

環境的要因

  • 大きな生活環境の変化
  • 職場や家庭内の人間関係
  • 過度の労働や休息不足
  • 季節の変化(特に日照時間の減少)

うつ病は通常、これらの要因が複合的に作用して発症すると考えられています。例えば、遺伝的に脆弱性を持つ人が強いストレス環境に置かれた場合にうつ病を発症しやすくなるという「ストレス脆弱性モデル」が広く支持されています。

うつ病を引き起こす要因の具体例

※事例は複数の相談事例をもとに再構成したものです。個人が特定されないよう、年齢・性別・状況などに変更を加えていますのでご了承ください。

1. 仕事におけるうつ病

職場環境や仕事の特性は、うつ病の主要なリスク要因となります。厚生労働省の調査によると、職場におけるメンタルヘルス不調の約4割がうつ病関連とされています。

事例:Mさん(35歳・男性)の場合

Mさんは大手IT企業で働くSEでした。入社10年目で管理職に昇進し、責任あるプロジェクトを任されるようになりました。当初は意欲的に取り組んでいましたが、無理な納期と予算削減の中、常に残業続きの日々が続きました。

部下の教育や顧客対応も増え、週末も仕事のメールをチェックする生活になり、徐々に睡眠時間が減少していきました。最初は「一時的な忙しさだ」と思っていましたが、半年が過ぎても状況は改善せず、次第に朝起きるのが辛くなり、仕事に行くまでに強い不安感に襲われるようになりました。

食欲も低下し、3ヶ月で5キロの体重減少がありました。趣味だったランニングにも興味が持てなくなり、休日は疲労回復のためにひたすら寝ている状態が続きました。「こんな状態では会社の期待に応えられない」「管理職失格だ」と自分を責め、次第に自己評価が低下していきました。

ある日、重要な会議で急に涙が出て止まらなくなり、その後1週間出社できない状態になりました。家族の勧めで精神科を受診し、うつ病と診断されました。

職場でのうつ病の主な要因:

  • 長時間労働・過重労働
  • 責任や要求水準の高さ
  • 対人関係のストレス(上司、同僚、部下、顧客との関係)
  • 評価への不安や失敗への恐れ
  • 仕事と私生活のバランスの崩れ
  • 役割の曖昧さや役割葛藤
  • 組織の大きな変化(合併、リストラなど)

厚生労働省の「職場における心の健康づくり〜労働者の心の健康の保持増進のための指針〜」では、企業に対して従業員のメンタルヘルス対策の充実を求めています。定期的なストレスチェックの実施や、労働時間管理の徹底、相談窓口の設置などが推奨されています。

特にコロナ禍以降は、リモートワークやハイブリッドワークの普及により新たなストレス要因(孤独感、コミュニケーション不全など)も増加しており、職場環境の変化に伴うメンタルヘルスケアの重要性が高まっています。

2. ライフステージの変化によるうつ病

人生の大きな転機や変化は、うつ病のきっかけとなることがあります。特に、役割やアイデンティティの変化を伴う出来事は、心理的な負担が大きくなりがちです。

事例:Nさん(32歳・女性)の場合

Nさんは第一子出産後、育児と自分のキャリアのバランスに悩んでいました。出産前はキャリア志向が強く、仕事に誇りを持っていましたが、育児休暇取得後は「24時間体制の育児」に戸惑いを感じていました。夫は仕事が忙しく、実家も遠方で頼れる人が少ない中、孤独な育児に不安とストレスを感じていました。

出産後3ヶ月頃から、夜中の授乳で睡眠不足が続く中、徐々に気分の落ち込みを感じるようになりました。赤ちゃんが泣き止まないと「自分は母親として失格なのでは」と自己否定感が強まりました。

SNSでは理想的な「ママ友関係」や「育児の喜び」を発信する投稿を目にするたびに、「自分だけがうまくいっていない」と感じ、さらに孤独感が深まりました。次第に赤ちゃんに対しても感情が湧かなくなり、「こんな母親では子どもが可哀想」という罪悪感に苛まれるようになりました。

夫に「死にたい」と漏らしたことをきっかけに、産婦人科を通じて精神科に紹介され、産後うつ病と診断されました。

ライフステージの変化によるうつ病の主な要因:

  • 親としての役割への適応(育児ストレス)
  • キャリアの中断や変化
  • パートナーとの関係性の変化
  • 睡眠不足や慢性的疲労
  • ホルモンバランスの変化(特に出産後)
  • 社会的つながりの減少
  • 理想と現実のギャップ
  • 経済的負担の増加

厚生労働省の調査によると、産後うつは10〜15%の女性が経験するとされ、近年では父親の産後うつも注目されています。日本産婦人科医会では、産後2週間健診でうつ病スクリーニングを行うなど、早期発見・支援の取り組みが広がっています。

3. 喪失体験とうつ病

大切な人や物、役割の喪失は、うつ病の重要なトリガーとなります。これには、死別、離婚、退職などさまざまな形があります。

事例:Pさん(65歳・男性)の場合

Pさんは、40年間勤めた会社を定年退職しました。会社では管理職として多くのプロジェクトを統括し、社内での評価も高く、仕事に誇りを持っていました。退職後は「ゆっくり趣味を楽しむ時間ができる」と楽観的に考えていましたが、実際に退職してみると、毎日の目的や役割を失ったように感じました。

妻とは趣味が合わず、家にいると居場所のなさを感じることが増えました。長年の忙しさから、会社以外の交友関係も薄く、日中の多くの時間をテレビを見て過ごすようになりました。退職前には楽しみにしていた旅行や趣味の音楽活動も、「何のために」という思いが強くなり、次第に意欲が低下していきました。

退職から半年が経った頃、朝起きる気力がなくなり、一日中パジャマで過ごすことが増えました。食欲も低下し、以前楽しみにしていた食事も味が分からなくなったと感じるようになりました。また、将来の健康や経済状況への不安が強まり、夜中に目が覚めると不安で眠れなくなることが増えました。

妻が心配して受診を勧め、心療内科でうつ病と診断されました。

喪失体験によるうつ病の主な要因:

  • 社会的役割やアイデンティティの喪失
  • 生活構造の変化
  • 将来の不確実性や不安
  • 社会的つながりの減少
  • 自己有用感の低下
  • 経済的不安
  • 生きがいや目的意識の低下

日本老年精神医学会によると、退職後うつや老年期うつ病は高齢化社会の重要な課題とされています。特に、仕事中心の生活を送ってきた人ほど、退職後の適応に困難を抱えやすい傾向があります。

うつ病からの回復のために

うつ病は適切な治療と支援により、高い確率で回復可能な疾患です。以下に、回復に向けた重要なアプローチをご紹介します。

1. 医学的治療アプローチ

うつ病は脳内の生化学的バランスの乱れと関連しているため、医学的アプローチが重要な役割を果たします。

薬物療法:

  • 抗うつ薬(SSRI、SNRI、NaSSA等)
  • 気分安定薬(双極性障害の場合)
  • 睡眠導入剤(睡眠障害の改善)

抗うつ薬は一般的に効果が現れるまで2〜4週間かかることが多く、医師の指示に従った継続的な服用が重要です。また、効果や副作用には個人差があるため、医師と相談しながら最適な薬剤と用量を調整していくことが大切です。

その他の医学的アプローチ:

  • 光療法(特に季節性うつ病に有効)
  • 反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)
  • 電気けいれん療法(ECT、重症例に考慮)

2. 心理療法的アプローチ

薬物療法と並行して、または単独で行われる心理療法も効果的です。

認知行動療法(CBT):

  • ネガティブな思考パターンの特定と修正
  • 行動活性化(楽しみや達成感を得られる活動の再開)
  • 問題解決スキルの向上
  • 社会的スキルの改善

対人関係療法(IPT):

  • 対人関係の問題の解決
  • コミュニケーションスキルの向上
  • 役割の変化や喪失への適応
  • 社会的サポートの構築

マインドフルネス認知療法(MBCT):

  • 今この瞬間に注意を向ける訓練
  • 思考と感情を観察する姿勢の育成
  • ストレスへの反応パターンの変化
  • 再発予防効果が高い

3. 生活習慣の改善

生活習慣の調整は、うつ病からの回復と再発予防に重要な役割を果たします。

睡眠の改善:

  • 規則正しい睡眠スケジュールの確立
  • 寝室環境の整備(温度、光、音など)
  • 就寝前のリラックス習慣の確立
  • スクリーン時間の制限(特に就寝前)

栄養と食事:

  • バランスの取れた食事
  • オメガ3脂肪酸を含む食品(青魚など)
  • ビタミンB群、葉酸、マグネシウムの摂取
  • 水分の十分な摂取
  • カフェインとアルコールの制限

運動:

  • 定期的な有酸素運動
  • 軽度〜中程度の強度の活動
  • 自然環境での活動(森林浴など)
  • グループでの運動活動

運動は脳内の神経伝達物質(セロトニン、エンドルフィンなど)の分泌を促進し、気分改善効果があることが科学的に証明されています。特に有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)は、抗うつ効果が高いとされています。

4. 社会的サポートの活用

うつ病からの回復には、良質な社会的サポートが大きな助けとなります。

家族や友人のサポート:

  • 理解と共感を得る
  • 適切な距離感を保ちながらのサポート
  • 日常生活の実務的サポート
  • 回復プロセスの見守り

ピアサポート:

  • 同じ経験を持つ人々との交流
  • 経験や対処法の共有
  • 所属感と理解の獲得
  • 希望と回復モデルの提供

職場や学校のサポート:

  • 職場復帰プログラムの活用
  • 合理的配慮の申請
  • 段階的な業務復帰
  • オープンなコミュニケーション(可能な範囲で)

専門家に相談すべきタイミング

うつ病は早期発見・早期治療が重要です。以下のような場合は、専門家への相談を検討することをお勧めします。

相談を検討すべき状況

  • 2週間以上続く気分の落ち込みや喜びの喪失
  • 日常生活や仕事、学業に支障が出ている
  • 睡眠や食欲の大きな変化が続いている
  • 自殺について考えることがある
  • 身体症状(頭痛、胃痛など)が持続している
  • 家族や友人が心配している
  • アルコールや薬物に頼る傾向がある
  • 自分でのコントロールが難しいと感じる

日本うつ病学会によると、適切な治療を受けた場合、うつ病患者の約70%が数ヶ月以内に症状の著しい改善を示すとされています。しかし、治療を受けずに放置すると症状の長期化や悪化のリスクが高まるため、早めの相談が推奨されています。

カウンセリングで期待される効果

適切なカウンセリングは、うつ病からの回復に大きく貢献します。以下のような効果が期待できます。

1. 安全な表現の場の提供

カウンセリングは、評価や批判を恐れることなく、自分の感情や考えを自由に表現できる安全な場を提供します。うつ病では否定的な感情を抱えていることへの罪悪感や恥の感覚を持ちやすいですが、カウンセリングではそうした感情も含めて、ありのままを受け止めてもらえることで心の負担が軽減されます。

2. 自己理解の促進

カウンセリングでは、自分の思考パターンや感情反応、行動傾向について理解を深めることができます。なぜ自分がそのように感じ、考え、行動するのかを理解することで、自分自身への共感が生まれ、変化への手がかりを見つけることができます。

3. 新たな視点と対処法の獲得

カウンセラーとの対話を通じて、状況や自分自身に対する新たな見方や解釈を発見できることがあります。また、うつ症状や困難な状況に対する具体的な対処法を学び、実践することで、少しずつ自信と対処能力を取り戻していくことができます。

4. 自己肯定感の回復

うつ病では自己評価が著しく低下しがちですが、カウンセリングを通じて少しずつポジティブな自己認識を取り戻していくことができます。小さな成功体験を積み重ね、自分の強みや資源に気づくプロセスを通じて、徐々に自己肯定感が回復していきます。

5. 再発予防スキルの習得

うつ病は再発率が比較的高い疾患ですが、カウンセリングでは再発のサインに早期に気づき、適切に対応するスキルを身につけることができます。特に認知行動療法やマインドフルネス認知療法は、再発予防に効果的であることが研究で示されています。

『優しい詩』でのうつ病へのアプローチ

『優しい詩』では、うつ病や気分障害に対して、一人ひとりの状況や特性に合わせた多角的なアプローチを提供しています。

1. 来談者中心療法に基づくアプローチ

来談者中心療法は、あなたの感情や体験をそのまま大切に受けとめ、自己理解と成長を支えるアプローチです。うつ病で傷ついた自己感覚を回復するために、以下のようなサポートを行います:

  • 無条件の肯定的関心:あなたの感情や考えを否定せず、そのままの形で受け止めます
  • 共感的理解:あなたの視点から状況を理解しようと真摯に努めます
  • 自己一致:カウンセラー自身も誠実で透明性のある関わりを心がけます

特にうつ病では「もっと頑張るべき」「弱い自分が恥ずかしい」といった自己批判的な思いが強まりがちですが、そうした批判から離れ、あなた自身の感情や価値観を大切にするプロセスをサポートします。

2. 認知行動療法(CBT)によるアプローチ

認知行動療法は、私たちの「考え方(認知)」が「感情」や「行動」に大きな影響を与えているという考えに基づく心理療法です。うつ病では特に、以下のような認知の歪みが生じやすいとされています:

  • 「すべて自分が悪い」「価値のない人間だ」(自己批判)
  • 「この状況は永遠に続く」「もう二度と楽しく過ごせない」(破局的思考)
  • 「他の人はもっと幸せに生きている」「みんな上手くやれているのに」(社会的比較)
  • 「完璧にできないなら何もしない方がいい」(完璧主義)

認知行動療法では、こうした思考パターンを特定し、より健全で現実的な考え方に修正していくことで、気分や行動の改善を目指します。

具体的には、以下のようなプロセスで進めていきます:

  1. 自動思考の特定:日常のさまざまな場面で自然と浮かぶ否定的な考えに気づく練習
  2. 認知の歪みの理解:全か無か思考、過度の一般化、心の読みすぎなどの思考の癖を認識する
  3. 思考記録と検証:状況、感情、自動思考を記録し、その思考が現実的かどうかを検証する
  4. 適応的思考の構築:否定的な思考パターンを、より現実的でバランスの取れた考え方に置き換える
  5. 行動実験と新しいスキルの実践:新しい考え方に基づいた行動を試し、成功体験を積み重ねる

『優しい詩』では、あなたの生活スタイルや価値観に合わせた認知行動療法のアプローチを提案し、日常生活で実践できるスキルの習得をサポートします。

3. 行動活性化アプローチ

うつ病では、「何をしても楽しくない」「何もする気が起きない」という状態から、徐々に活動が減少し、さらに気分が落ち込むという悪循環に陥りがちです。行動活性化アプローチでは、この悪循環を断ち切るために、少しずつ活動レベルを上げていくことを目指します。

具体的なステップ:

  1. 活動記録:現在の活動パターンを把握する
  2. 価値の明確化:何があなたにとって大切か、どんな生活を送りたいかを考える
  3. 活動リストの作成:喜び、達成感、意味を感じられる活動を特定する
  4. スモールステップでの実践:無理のないレベルから始め、徐々に活動を増やす
  5. 進捗の記録:活動と気分の関係を観察し、徐々に向上していく過程を確認する

行動活性化は、特に「何もしたくない」「何をしても楽しくない」といううつ病特有の症状に対して効果的です。具体的な行動から始め、少しずつ気分が変化していくプロセスを体験することで、「まず行動し、それから気分が変わる」という回復の道筋を実感していただきます。

4. マインドフルネスに基づくアプローチ

うつ病では、過去の失敗や後悔、将来への不安に心を奪われがちです。マインドフルネスは「今この瞬間」に注意を向け、判断せずに体験に気づく能力を育てるアプローチです。

『優しい詩』では、以下のようなマインドフルネス実践をサポートします:

  • 呼吸に注意を向ける瞑想(5分程度から始める)
  • ボディスキャン(身体の感覚に順番に意識を向ける)
  • 五感を活用した「今ここ」への意識の集中
  • 日常活動のマインドフルな体験(食事、歩行など)
  • 思考や感情を「雲が流れるように」観察する練習

マインドフルネスは特に、うつ病の中核症状である「反芻思考(同じネガティブな考えを繰り返し考えてしまう)」の軽減に効果的であることが研究で示されています。また、うつ病の再発予防にも有効とされており、『優しい詩』では、継続的な実践方法についてもアドバイスしています。

5. ストレングスモデルとレジリエンスの強化

うつ病では自己評価が著しく低下し、自分の強みや資源に目を向けることが難しくなります。『優しい詩』では、あなたが持っている「強み」や「資源」に焦点を当て、それらを活かした回復プロセスをサポートします。

  • 強みの発掘:これまでの人生で発揮してきた強みや才能を丁寧に探る
  • 成功体験の分析:過去の困難を乗り越えた経験から、対処能力を見出す
  • 資源の特定:活用できる人的・物的・情報的資源を特定する
  • レジリエンス(回復力)の強化:強みを活かした困難への対処法を見出す

例えば、職場でのうつ病を抱える方が「仕事の価値を見いだせない」と感じている場合、過去に仕事で感じていたやりがいや発揮してきた強み(例えば「細部への配慮」「粘り強さ」など)を再認識し、現在の状況でも活かせる方法を一緒に探っていきます。

6. 身体へのアプローチと生活習慣の再構築

うつ病は心と身体の両面に影響を及ぼす疾患です。『優しい詩』では、看護の専門知識も活かし、身体面からのアプローチも重視しています:

  • 睡眠衛生の改善:質の高い睡眠のための具体的な工夫
  • 栄養と食事のサポート:脳機能を支える栄養素と食習慣のアドバイス
  • 運動の段階的導入:少しずつ身体活動を増やす計画
  • 身体の緊張緩和:リラクゼーション技法の実践

特に運動は、抗うつ効果のあるセロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質の分泌を促進することが知られています。ウォーキングなどの軽い有酸素運動から始め、段階的に活動量を増やしていく方法を一緒に計画します。

7. 対人関係とコミュニケーションのサポート

うつ病は社会的関係にも影響を及ぼします。孤立感や疎外感を感じたり、周囲との関係が悪化したりすることも少なくありません。『優しい詩』では、以下のような対人関係面でのサポートも行います:

  • コミュニケーションスキルの向上:感情や状態を適切に伝える方法
  • 境界線の設定:無理のない関係性を築くためのスキル
  • サポート希求スキル:必要な時に適切に助けを求める方法
  • 社会的つながりの再構築:段階的な社会参加の計画

対人関係療法(IPT)の知見も取り入れ、うつ病と対人関係の相互作用に焦点を当てながら、健全な関係性の再構築をサポートします。

8. 段階的回復プロセスのサポート

うつ病からの回復は一直線ではなく、段階を踏むプロセスです。『優しい詩』では、個々の回復段階に応じたサポートを提供しています:

初期段階(安定化)

  • 症状の緩和と基本的なセルフケアの確立
  • 安全感の回復と休息の確保
  • 医療機関との連携(必要に応じて)
  • 生活リズムの基本的な安定化

中間段階(再構築)

  • 認知パターンの修正
  • 段階的な活動の再開
  • 小さな目標設定と成功体験の積み重ね
  • 社会的つながりの段階的再構築

回復段階(成長)

  • 自己理解の深化と新たな自己像の確立
  • ストレス管理能力の向上
  • 再発予防スキルの習得
  • 価値観の再検討と今後の人生の展望

各段階で適切なアプローチを組み合わせ、あなたの状態や進捗に合わせた柔軟なサポートを提供します。特に再発予防は重要な要素であり、ストレスや気分の変化への早期対応スキルを身につけることで、長期的な心の健康を維持していくことを目指します。

まとめ

うつ病は決して珍しい病気ではなく、適切な治療とサポートがあれば回復可能な状態です。大切なのは、自分を責めすぎず、無理をせずに少しずつ前に進んでいくことです。

『優しい詩』では、あなたの思いや希望に寄り添いながら、うつ病からの回復に向けて一人ひとりに合ったカウンセリングとサポートを提供します。医学的治療と並行しながら、心理的なケアと日常生活の再構築を通じて、あなたの回復をサポートします。

あなたのペースで、無理をせずに一歩ずつ、一緒に進んでいきましょう。

【うつ病と関連のある「不安障害」については、こちらのページで詳しく説明しています。】

【うつ病と関連のある「適応障害」については、こちらのページで詳しく説明しています。】

最終更新日:2025年4月28日

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