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コラム

スキーマ療法とは?長年の生きづらさ・複雑性PTSD・愛着障害に、根本からアプローチする心理療法

「頑張り続けないと自分には価値がない、そんな気がしてならない」 「親との関係がずっと心のどこかに引っかかっている」「特定の相手や状況に対して、別人のように怒りが爆発しコントロールできない」

こんな思いを長年抱えてきた方に、今回はスキーマ療法についてご紹介します。

キーワード:スキーマ療法、複雑性PTSD、複雑性トラウマ、発達性トラウマ、愛着障害、アダルトチルドレン、インナーチャイルド、うつ、不安、HSP、親子関係、ポリヴェーガル理論、認知行動療法

スキーマ療法とは

スキーマ療法は、1990年代にジェフリー・ヤング博士が開発した心理療法です。認知行動療法をベースに、愛着理論・ゲシュタルト療法・精神分析などを統合した、「深いところまで届く」アプローチとして知られています。

通常の認知行動療法が「今の思考や行動パターン」に焦点を当てるのに対し、スキーマ療法は「なぜそのパターンが作られたか」——つまり幼少期や過去の経験まで遡って理解し、癒していくことを重視します。

「スキーマ」って何?

スキーマとは、幼い頃から繰り返された体験を通じて形成された、自分や世界に対する深い「信念のパターン」のことです。

たとえば、

「私は愛されない存在だ」(見捨てられスキーマ) 「私は欠陥がある、恥ずかしい人間だ」(欠陥・恥スキーマ) 「世界は危険だ、誰も信用できない」(不信・虐待スキーマ) 「自分の気持ちより他者を優先しなければならない」(自己犠牲スキーマ)

こうしたスキーマは、子ども時代に「生き延びるための知恵」として形成されました。でも大人になった今も無意識に作動し続け、人間関係・仕事・自己評価などあらゆる場面で「同じ苦しみ」を繰り返させてしまいます。

複雑性トラウマを抱える方へ——それぞれの「傷つき」に寄り添うアプローチ

複雑性PTSDを抱える方へ

一度きりのトラウマ体験(事故や災害など)とは異なり、複雑性PTSDは、長期にわたる虐待・ネグレクト・家庭機能不全など、「逃げられない環境」での慢性的なストレスによって生じます。

複雑性PTSDの方には、こんな特徴がよく見られます。感情の波が激しくコントロールが難しい、自己像が不安定で「自分が誰なのかわからない」感覚がある、親密な関係を求めながらも深く関わることへの恐怖がある、慢性的な空虚感・絶望感・自己嫌悪がある——といったことです。

スキーマ療法は、こうした「複雑な傷つき」に対して段階的に、しかし根本から働きかけることができます。単に「認知を変える」のではなく、傷ついた内なる子どもの部分(インナーチャイルド)に直接アプローチする技法を使うため、「頭ではわかっているのに変われない」という方にこそ効果を発揮します。

愛着障害・愛着スタイルの問題を抱える方へ

幼少期に安定した愛着関係が築けなかった場合、大人になってからも人間関係に大きな影響が出ます。親密になるほど怖くなり距離を置いてしまう(回避型)、見捨てられることへの不安が強く相手に依存してしまう(不安型)、親密さを求めながらも傷つくことを繰り返す(混乱型)——こうしたパターンに悩む方は少なくありません。

愛着障害は「意志が弱い」わけでも「わがまま」でもありません。幼い頃に必要だったものが満たされなかった、それだけのことです。スキーマ療法では、「制限された再養育(limited reparenting)」という概念のもと、安全なカウンセリングの関係性の中で、これまで経験できなかった「安心できる関わり」を少しずつ体験していきます。これが、愛着パターンの根本的な変化につながっていきます。

発達性トラウマ・アダルトチルドレンの方へ

「虐待を受けたわけではないけれど、何か満たされなかった」——そんな方に届く概念が、発達性トラウマやアダルトチルドレン(AC)です。

機能不全家族の中で育った、感情的に不在な親だった、過干渉・過保護だった、兄弟の世話を一手に担っていた……そういった環境は、目に見える傷がなくても、子どもの心に深いスキーマを刻みます。「自分の気持ちを後回しにして当然」「いつも気を張っていないと何かが起きる」という感覚が大人になった今も続いているとしたら、それは意志の問題ではなく、長年のパターンです。スキーマ療法はまさにこの「言葉にしにくい傷」に、丁寧に働きかけることができます。

感情調節の困難・慢性的なうつを抱える方へ

「何年も気分が低空飛行のまま」「感情の波に突然飲み込まれる」「薬を飲んでも、カウンセリングを受けても、根本が変わらない」——そういった方の背景に、複雑性トラウマやスキーマが関わっていることは少なくありません。

診断名がつかなくても、あるいはうつ・不安障害と診断されていても、その「底にあるもの」にアプローチしないと変化が起きにくいことがあります。スキーマ療法は、症状を抑えるだけでなく「なぜそうなるのか」の根っこから扱うため、これまでの治療で手応えを感じられなかった方にこそ、試してみる価値があるアプローチです。


ポリヴェーガル理論を「入口」に

スキーマ療法を始める前に、まず「今の自分の神経系がどんな状態にあるか」を知ることがとても大切です。

ここで役立つのが、近年注目されているポリヴェーガル理論(スティーヴン・ポージェス博士)です。私たちの自律神経系は、大きく3つの状態を行き来しています。安全・つながりの状態(社会的関与システム)——穏やかで人と関われる、戦う・逃げる状態(交感神経優位)——不安・怒り・過覚醒、凍りつく・シャットダウン状態(背側迷走神経優位)——無気力・解離・感覚が麻痺する、の3つです。

複雑性トラウマや愛着の問題を抱える方は、知らないうちに「凍りつき」や「戦う・逃げる」状態に長時間いることが多く、これがあらゆる感情調節の困難につながっています。

カウンセリングでは、まずポリヴェーガル理論を使って「自分の神経系の状態に気づく力」を育てていきます。「あ、今私は凍りついているんだ」と気づけるだけで、そこから選択肢が生まれてきます。そして、神経系がある程度「安全」を感じられるようになったとき——そこがスキーマ療法の深い作業に入るための、最良のタイミングになります。

ポリヴェーガル理論については、別記事で詳しくご紹介しています。→(リンク作成中)


スキーマ療法の実際の流れ

スキーマ療法は一般的に、以下のような段階を経て進んでいきます。

① アセスメントと心理教育

まず自分のスキーマを特定し、それがどのように形成されたかを理解します。「なぜ自分がこうなのか」がわかること自体、大きな安堵をもたらします。

② 感情や身体感覚への気づき

頭だけでなく、感情や身体の感覚にアクセスする練習をします。ここでポリヴェーガル理論的な視点も活きてきます。

③ スキーマへの働きかけ

イメージワーク(イメージ再構成法)、チェアワーク(空椅子技法)、日常の行動実験などを使い、深いレベルで変化を起こしていきます。

④ 健全な大人の自分を育てる

最終的には、傷ついた部分を批判したり無視したりせず、自分自身の良い親のような存在として内側から支えられるようになることを目指します。


こんな方にスキーマ療法が合うかもしれません

  • 「自分はダメだ」「愛されない」という深い信念から抜け出せない
  • 愛着の問題(見捨てられ不安・回避・依存)が人間関係に影響している
  • 「虐待というほどではないけど、家庭に何か満たされないものがあった」と感じる
  • 複雑性PTSD・解離・感情調節の困難を抱えている
  • 特定の相手や状況に対して別人のように怒りが爆発するなど、感情の波が激しく、自分でもコントロールできないと感じることがある
  • 何年もうつや不安が続いており、薬や従来のカウンセリングで変化を感じにくかった
  • 子どもの頃から「生きづらさ」を感じてきた
  • 何度カウンセリングや通院をしても「根本が変わらない」と感じる
  • 過去のことは整理できているはずなのに、なぜか体や感情が反応してしまう

    長年の苦しみには、それに見合ったアプローチを

    「また同じことを繰り返してしまった」「どうせ自分は変われない」——そんなふうに自分を責めてきたという方は意外多くいらっしゃいます。それはあなたの意志の問題でも、性格の問題でもありません。幼い頃に形成された深いパターンが、今も働き続けているだけです。そしてそれは、適切なアプローチで、ゆっくりと、確かに変わっていけるものです。

    スキーマ療法は時間のかかるプロセスですが、「表面だけ」でなく「根っこから」変わっていくための、信頼できる地図です。

    もし興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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